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  • 日本基督教団 仙台東教会

2019年6月30日№125-26 「私たちが救われる名は、天下にこの名のほかにありません。」 使徒言行録第4章5節~12節

聖霊降臨の出来事が生起してから、エルサレム中は、主イエスの処刑事件において静まっていた民衆は、ガリラヤ宣教以来、イエスに追従してきた時の熱情以上の興奮に包まれていた。主イエスによって、弟子として抜擢された弟子たちは、いまや主イエスと同様に、生まれながらに足の不自由な人を立ち上がらせるという奇跡を衆人環視のもとに実行するようになる。「しるし」と同時に、主イエスが一体誰であるのか「宣教」を大胆に語りはじめたのである。多くの民衆が、主イエスがキリストであることを信じたからである。おびただしい数の人びとが、弟子の業と言葉による宣教により、信じる者と変えられてゆく。エルサレエム中に彼らの業と言葉は知れ渡って行った。

 その一方で、偉大な「奇跡」と「宣教の言葉」を目撃し、聴く者の中には、「いらだつ」者たちがいた。この者たちが「いらだつ」のは、主イエス殺害の動機と同質のそれであったであろう。その動機の本質が、われらすべての人類の原罪と通底していることは言うまでもないが、われらこそ、神の御業に「いらだち」、殺意さえも抱く動機を全人類と共有しているのである。それゆえ、われらはわれらが内奥の「原罪」の正体を、ペトロとヨハネを捕縛し投獄し、裁く人びとの中に探らねばならない。

 彼らは、主イエスが神から遣わされた神の子、まことの神と同等、同質を体現しているという「宣教内容」に不快を感じていた。なぜなら、彼らには、天地創造の神は、モーセの律法の遵守を要求する神であり、人間を神とすることを何より禁じたもうお方であると信じていたからであった。また信仰と無縁さを自認する人びとにおいては、自己自身を「神」とするがゆえに、「神」は自己が承認する限りにおいてしか「神」とは認めない。このような「自己=神」である人類においては、主イエスの存在を深奥において憎むのである。かくして、「神」概念を有する者も、「無神」概念を有する者も等しく、真実神からの派遣者を拒み、憎悪する。われらの内奥において、神ご自身を拒み、憎悪する「悲惨」が存在することを誰しも否定することはできない。

 それゆえ、弟子を捕縛・投獄した者たちと我らは本質において同罪なのである。「あなたがたが十字架につけて殺し、神が死者の中から復活させられたあのナザレの人、イエス・キリストの名に」よって、弟子たちは我らの拒否・憎悪の前に立っている。

 そして、弟子たちはかかる我らに向かって宣言する。「ほかの誰によっても、救いは得られません。わたしたちが救われるべき名は、天下にこの名のほか、人間には与えられていないのです。」他ならぬ主イエスを殺害した当時者に向けて、その当時者の救いを宣言した。主の十字架が、単に意味表示の「愛敵」ではなく、現実として愛そのものであることはここに明らかに証明されたのである。 

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